作文を書く前に、小学校1、2年生は絵を描きます。3年生以上は構成図を書きます。これは今から書く作文の全体のイメージを作るためです。
また、絵や構想図がないと、書いているうちにテーマから大きく外れ、まとまりのない文章になってしまうことがあります。あまり文章が得意でない人の場合はこの傾向は顕著です。絵や構想図は作文をゴールに導く地図のようなものなのです。
作文のための絵と構想図についての言葉の森記事はこちらです。
柏の葉作文教室生徒のてつ君はいつも最初に絵を描きます。その絵を見ながら、作文を仕上げていきます。今日はてつくんの過去3週分の絵と作文をご紹介します。絵がじょうずに作文に生かされています。
てつ君はもともとアメリカ在住ですが、最近、イギリスに引っ越しました。作文は新しい生活に慣れてしばらくぶりに再開した作文第一作目から第3作目まで。
てつ君の第一言語は英語です。第二言語の日本語は家庭内での会話と作文の勉強が中心。毎週の作文を初めて3年目です。
では、てつ君、お願いします。
「はあい」
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9月3週目 ストーンヘンジ
僕は9月15日にストーンヘンジに行きました。ストーンヘンジは石がたくさん並んでいるところです。紀元前2500年前に作られました。
ストーンヘンジは2メートルぐらいの高さです。直径は300mです。ストーンヘンジのまわりにはお墓がたくさんあります。
ストーンヘンジのいちばん高い石の上を、夏のいちばん長い日に太陽の光が通るのだと聞きました。ぼくはストーンヘンジにまた行きたいなと思いました。
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9月4週目 楽しい試合
先おとついに、僕は試合デーに行きました。試合デーは剣道の子どもの大会です。僕とパパ、ママ、お姉ちゃんと行きました。試合デーはワトフォードにありました。ぼくはアメリカで剣道をしていて、いま、イギリスでもやっています。防具も持ってきました。
試合デーで6チームに分かれてやりました。僕は2回勝ちました。全部、面で勝ちました。僕のいちばん最初の試合は20秒ぐらいで負けました。2つ目の試合は2回、面を打って勝ちました。
僕は全部で6回出ました。僕のチームは5人いましたが、昼に1人が帰り、4人チームに変わりました。だから、1試合に2回出たこともありました。別のチームの中には6人チームもありました。
試合を見ていたお父さんに僕の面は浅いと言われました。
また試合デーに行きたいなと思いました。
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10月1週目 楽しいフィールドホッケー
僕はフィールドホッケーをします。フィールドホッケーはサッカーに似ています。サッカーと違うところは棒を使うところです。フィールドホッケーの場合、棒は片面しか使えません。アイスホッケーでは二面とも使えます。
学校の体育の時間にフィールドホッケーをしています。僕はあまり上手じゃないです。なので間違って自分のゴールにボールが入りました。僕の棒に当たり、ゴールに入ったのです。
僕はお姉ちゃんともフィールドホッケーをやります。お姉ちゃんは横から入ってきてゴールの前で点を入れます。
僕はフィールドホッケーは難しいと思います。お姉ちゃんみたいに点を入れたいです。
(一部のひらがなを漢字に変えてあります)
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てつ君、ありがとう! どれもまとまりのあるすてきな作文です。てつ君のイギリスでの新生活がよく分かります。
私(浅岡)はアメリカで5年間(2005年〜2010年)、現地の日本人の子どもたちのために作文教室を開いた経験があるため、てつ君の作文のすばらしさがよく分かります。海外に住む子供たちが日本語で長い文章を、漢字を交えながら、中心をそらさずに書き上げることの難しさを身をもって体験したからです。根気強い哲くんのがんばりとご家族の支えがこの日本語の成果を生んだのだと思います。
柏の葉作文教室では海外の生徒さんも受け入れています。授業はZoom教室で、書けた作文はスキャンするか写真を撮るかし、メールに添付してお送りいただいています。教材は郵送しています。ご興味ある方はお気軽にお尋ねください。
kayo.asaoka@gmail.com
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