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大人の作文「日々是平穏」

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     おとな作文教室の生徒の美津江さんが家で書いてきた作文を持ってきてくれました。思いつくままに大学ノートに綴られた作文です。

     

     美津江さんは教室でその週の課題に取り組むよりも、思いついたことをその場で書き留める方が好きです。最初に作文のメモや構成図を作ったりは苦手で、そういうものがあるとかえって書きたいことが逃げていってしまうタイプ。また、書き留める紙は作文用紙よりも大学ノートを好みます。大人になるとその人なりの確立されたスタイルがあるということだと思います。

     

     作文は表現です。表現したいことを、表現したい方法で表し、表現したものを鑑賞する人がいる。これがおとなの作文ではとても大切です。作文はどんどんこちらのブログで紹介していきます。感想があればぜひコメントにお書きになってください。

     

     美津江さんの今回の作文のキーワードは、「胃がん」「手術」「ラッキー」「柏たなか病院」「マイクロバス」「柏の葉キャンパス駅」「柏」「大好き」です。

     

     では、美津江さんお願いします。

     

    「はあい」

     

     

     

    日々是平穏 安田美津江

     

     胃の検査を終えて病院を出ようとしたら

    「バスが出ますよお」

    と呼んでいる人がいた。

    「どこ行きですか?」

    「キャンパス駅です」

    ちょうど良かったと初めて柏たなか病院のマイクロバスに乗せても らうことにした。 病院がきれいになったらマイクロバスも新しくなった。10年前、 私は移転する前の田中病院で胃がんの手術を受けていた。 流山から柏に引っ越して間もなくのことである。そのころ、 勤めていたトーカツフーズで、 タイムカードを押そうとすると胃に激しい痛みを覚えた。やむなく早退をして帰ったものの、そんな日が三日続いたある日、 同僚に一度病院で見てもらったらと言われてかかりつけの医院で薬 をもらったが痛みは一向に治まることがなかった。

    「いつもならすぐ効くはずですが」

    「おかしいですね。 もう少し大きな病院で精密検査を受けられたらどうですか」

    ということで訪れた柏たなか病院だった。

     古い病院ではあったが看護婦さんをはじめ、 病院の人々はそれは親切であった。 20年以上も前に亡くなった主人がお世話になった都内の大きな病 院とは大違いである。 はじめに受けた大腸の検査は小さなポリープがひとつということで まず問題なし。 ところがそのあとで見てもらった胃の検査で悪性の腫瘍が見つかっ た。 引っ越しの疲れたと仕事のストレスとばかり思いこんでいた私にと って予想もしないことだった。

     その時、

    「ラッキーですね」

    と言われた院長先生の言葉がいまだに忘れられずにいる。

    「治りますか?」

    「治ります。今なら治ります」

    病院の3階の窓から私は来る日も来る日も国道を走る車を眺めてい た。早く良くなりたい、よくなってまた車で走れるようになりたい」

     その時の私はすべての元気な人がうらやましかった。元気で働けるのなら他に欲しい物は何もなかった。あれから10年、大きな3本の桜の木は病院とともになくなり今は更地となっている

     柏たなか病院が壊されるとともに私の足はしだいに病院から遠のいていたが、去年の暮れに体調を崩したのをきっかけに、移転した柏たなか病院を再び訪れ検査をしてもらうことにしたのだ った。

     新しい病院はまるでホテルのようである。柏は病院が多いが、 これだけの設備投資をして果たして経営は成り立つのかしらと余計 なことまで考えてしまった。ホテルのような病院で診察をしてもらい、おしゃれなマイクロバスに乗ってつくばEXの柏キャンパス駅まで送ってもらう。そんな柏が大好きになってきた。

     

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    コメント
    確かに、昔の田中農協病院とは大きく変わった感じです。柏たなか病院は駅に近くてきれいでいいと思います。
    • アイン4
    • 2018/10/31 3:07 AM
    「ホテルのような病院」がぴったりです。
    • あお
    • 2018/10/31 8:13 AM
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    浅岡佳代/1996年筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒業/1998年高校(国語)教員免許取得/作文指導歴17年/プロフィール


    授業風景(柏の葉公園、公園センター2階、2019年11月)


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    (公園センター1階、図書コーナー)


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